やかまし村文庫<ブログ>だより №12

 おすすめの本📖ミニブックトーク

7月といえば「七夕」ですね。

そこで、七夕や星の本を紹介します。

【たなばた】こどものとも傑作集

君島久子再話 初山滋・画 福音館書店

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昔、天の川の東に、七人の天女がおりました。

末娘のおりひめは、はたおりが一番上手でした。

天の川の西側は人間の世界で、一人の牛飼いが、

年取った牛とくらしていました。

ある日のこと、牛が突然こう言いました。

「天女たちが、天の川へ水浴びにきたら、

おりひめの着物をかくしてしまいなさい」

牛飼いは、牛に言われたとおりにし、おりひめを妻に迎えます。

やがて、男の子と女の子がうまれ、二人は幸せにくらしていますが、

天のおうぼさまに知られ、おりひめは、天へ連れ戻されてしまいます。

牛飼いと子どもたちは、力を合わせておりひめを追いかけます。

初山滋さんの美しい絵が想像力をかきたてます。

年に一度、必ず読む本です。

【ほしになったりゅうのきば】

君島久子再話 赤羽末吉・画 福音館書店

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昔々、子どものいないじいさまとばあさまの前に、大きな石が

落ちてきて、男の子が生まれました。二人は、大喜びで、

その子を「サン(英雄)」と名付けて育てます。

そのころ、大きなりゅうの兄弟が、南山と北海にすんでいました。

ある日、二匹のりゅうは、一緒に桃を食べていましたが、

九つあるので、どっちが多く食べるか言い争っているうちに、

けんかはどんどん激しくなってしまいます。

二匹は、からまりあって、のたうちまわり、天へ躍り上がって、

天にぶつかってしまいます。ばりばりっと天は破れ、

二匹のりゅうは、頭をぶつけて、それぞれ自分の住処へ逃げ帰ります。

りゅうが破った天のさけめは、サンの村の真上でした。

そこから、雨が滝のように降り注ぎ、寒い日には、ひょうが石のように

落ちてきて、村の人々は、山の洞穴に逃げ込んだまま、

外へ出ることもできません。

じいさまは、サンに、なんでも知っているというライロン山の

みどりのひげの老人のところへ行ってくるように頼みます。

サンは、天のさけめを塞ぐことができるのでしょうか?

銀河と星の起源譚です。

【星座を見つけよう】福音館書店

H.A.レイ 文・絵  草下英明・訳 福音館の科学の本

小学校中級~おとなまで

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星に興味がわいたら、こんな本はいかがでしょう?

ゆっくり丁寧に読みながら、わかりやすい絵を丹念に見ていくと、

星の名前や、星座の形、星座の見つけ方などが、少しずつ

わかるようになるかもしれません。

あの、「おさるのジョージ」をかいた、H.A.レイさんが、

こんな本もかいていたんですね。

たなばたの「おりひめ星」(しょく女星・こと座のベガ)と、

「ひこ星」(牽牛星・わし座のアルタイル)も、見つけられますよ。

一気に全部わかろうとするのではなくて、折に触れ、

繰り返し読み直していくような本だと思います。